今回紹介する「虚構推理」は、数あるミステリー作品の中でも異色な作品です。

この作品は、推理して真実を見つけるのではなく、推理して嘘の真実を作り上げる物語

インターネットの発達によって嘘や噂といった「虚構」が「事実」として拡散される事が多くなりました。多くの人間に認知された「嘘」や「噂」が実体となって起こしてしまった事件を、「嘘」を用いて解決していく作品になっています。

異色な作品ではありますが、最後の「嘘」が「真実」を覆す様子は引き込まれました。

現在「マガジンR」で連載している漫画版「虚構推理」の感想も記事にしています。こちらも合わせてどうぞ!

漫画版「 虚構推理 」の感想。都市伝説 × 推理の今までに無いミステリー

2015.11.17

小説版「虚構推理」あらすじ

物語の序盤で分かるので最初に言いますが、この作品には犯人は存在しません

この作品は、自殺したアイドル「七瀬かりん」に似た「鋼人七瀬」という亡霊が人を襲う事件が発生するようになり、ヒロインの岩永琴子、主人公で怪異の力を身に宿す桜川九郎、九郎の元恋人で警察官の弓原紗季が、事件解決を目指していく物語になります。

しかし序盤で、この事件には犯人がいないことが発覚します。「鋼人七瀬」として暴れているのは、「想像上の怪物」つまり、人の「こうであってほしい」という願望から生まれた怪物でした。

どうやって鋼人七瀬が生まれたのか。

きっかけは、鋼人七瀬の元の事件「七瀬かりん自殺事件」が元になっており、その自殺に様々な疑問が有りました。その情報をまとめサイトにまとめ、まとめサイトの住人たちにより、様々な憶測がうまれ、そこにイラストという形と名前を与えられたことで、実体化しました。

人の願望が元になっているので、いかに殺そうとも、まとめサイトの住人が「鋼人七瀬はいない」と認めなければ、永遠に存在し続けます。

そこでヒロインは、「虚構」を用いて様々な物語を作り、スレに投稿し、議論させることで「鋼人七瀬はいない」と認めさせ「鋼人七瀬」の討伐を試みます。

小説版「虚構推理」を読んでみた感想

この作品の面白い所は、インターネットの特性を上手く利用している所です。

インターネットでは、「こうあってほしい」「こうの方が面白い」といったネット上の「嘘」や「噂」が、「真実」に成り代わってしまう、真実を隠し、嘘が真実になってしまうことが多々あります。

今回のこの物語も、真実は「七瀬かりんは自殺し、犯人は存在しない」ですが、七瀬かりんの遺体発見現場に不可解な事が多かった為に、「鋼人七瀬」の噂が立ち、怪物が生まれました。

この「鋼人七瀬」を存在しないということを、正論ではなく真実に成り代わる「虚構」で、インターネット上の人間に認めさせるシーンに引き込まれました。

マンガ版「虚構推理」との違い

もともと小説が原作なので、マンガ版は小説版には無かった戦闘描写が付け加えられています。

なのでマンガ版に比べると戦闘シーンなどが、ほとんど削られています。

例えば、漫画版で九郎が図書館に居た妖怪を倒す場面は小説版には存在しませんでした。また、漫画版1巻の最後にあった琴子と鋼人七瀬の戦闘も、琴子と紗季が出会った時点で、鋼人七瀬が退散するので、戦闘描写がなく終了しました。

もう一つは、九郎の正体に関して小説版はあっさり明かされてしまう所です。見せ場を意識してユーザーを引き込む為からか、漫画版では図書館に居た妖怪と戦う中で明かされました。

なので小説版は、鋼人七瀬が事件を起こし始めてから盛り上がって行くのに対し、漫画版は所々でオリジナルな展開を入れ盛り上げていく感じになっています。

虚構推理

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