今回紹介する「虚構推理」は、怪異たちの知恵の神となった少女と、不死身の身体と「未来を自分の望むものに決定できる能力」を持つ青年の「都市伝説 × ミステリー」マンガです。
元々は2011年5月に「講談社ノベルス」から小説として発売されていたものを、コミカライズした作品になっています。
作者:原作 城平京 漫画 片瀬茶柴
連載期間:2015年~
巻数:既刊9巻(2018年10月17日現在)
画像引用元:http://www.magazine-r.co/comics/kyokosuiri/
画像引用元:https://kyokousuiri.jp/
「虚構推理」のあらすじ
この作品は、子供の頃に未来を見通せる妖怪「くだん」と、不老不死になれると言われる「人魚」の肉を食べさせられた主人公と、子供の頃に神隠しに遭い、怪異たちの知恵の神になる為に右目と左足を失ったヒロインが、夜になると鉄骨を持って現れるアイドルの亡霊・鋼人七瀬の謎を追っていくというものです。
「人魚」や「河童」「くだん」などの怪異が登場するといったSF色の強い作品になっており、第一部である「鋼人七瀬」編では、「くだん」という怪異が絡むことで、推理して真実を見つけるのではなく、推理して嘘の真実を作り上げるという、新しいタイプのミステリー作品です。
怪異が引き起こす事件を解決していく形で物語が進んでいきますが、原作が小説ということや、事実を元に推理して嘘の真実を作り上げるという作品なので、情報を読者に提供する兼ね合いから、展開が丁寧で時間をかけて読む作品になっています。
ミステリーの新境地。「虚構推理」の感想。
この作品は、「人魚」「河童」「くだん」など、様々な怪異が登場しファンタジー色が強い作品になっていますが、ミステリーの部分はしっかりと作られています。
また、絵の雰囲気の使い分けが上手く、コミカルな所はキャラクター一人一人が可愛く、デフォルメされた絵もとても可愛いのに対し、シリアルな部分は雰囲気が変わり、キャラクターの緊張感のようなものが伝わってくる様でした。
ミステリーというだけで読みにくい印象がありますが、この作品は物語の展開に合わせてしっかりとした説明がされるなど、ミステリーが苦手な人でも読みやすい作品になっています。
「虚構推理」のおすすめポイントまとめ
- 推理して真実を見つけるのではなく、推理して嘘の真実を作り上げる物語
- 都市伝説×ミステリーという異色のミステリー作品
- 絵の雰囲気の使い分けが上手く読みやすい作品
小説版の感想を記事にしました。こちらも合わせてどうぞ!
今回紹介する「虚構推理」は、数あるミステリー作品の中でも異色な作品です。 この作品は、推理して真実を見つけるのではなく、推理して嘘の真実を作り上げる物語。 インターネットの発達によって嘘や噂といった「虚構」が「事実」として拡散[…]
城平京先生の他の作品を紹介します。
城平京先生の作品は、ファンタジー色の強いミステリー作品が多いのが特徴です。