今回紹介する作品は「幼い女神はかく語りき」という作品です。
作者の暇奈椿先生は、榎宮祐先生と共著で「クロックワーク・プラネット」を書かれていますが、今回は暇奈椿先生のソロ作品になっています。
では感想をどうぞ!
あらすじ
時は古代、空白の四世紀――未だ神話が綴られる神秘と幻想の時代。この国のはじまりを築いた、はじまりの《士》の話。
――邪馬台の侵略、異国の神々、異形のモノノケ、《化外》の民。真人と常夜。ただの人間だった少年と、無力な女神だった少女との出会いが、最新にして最古の誓約を結び奉る――!!
アニメ化の大人気シリーズ『クロックワーク・プラネット』の暇奈椿が紡ぐ、過去と現在が交錯する新たなる創世ファンタジー!
読んでみた感想
ライトノベルの中でもなかなか見かけることの無い和風ファンタジーというジャンル。
今回紹介する「幼い女神はかく語りき」という作品は、「日本神話の神々」が普通に存在する世界で、日本という国を築いた「士(サムライ)」という存在を、もしかしたらあったかもしれない現代日本と古代日本の時代から、主人公とヒロインの視点で描いた作品になっています。
400ページという分厚さにも関わらずスラスラと読むことができ、読み終わった時にはもう少しこの世界観に触れていたかったと思える作品でした。
この作品の魅力は、
- 1つ目は、「日本神話の神々」にフォーカスした、今まで有りそうで無かった世界観
- 2つ目は、登場人物達の格好良さ
の2つではないでしょうか。
今まで有りそうで無かった世界観
私が知る中で有名な和風ファンタジーといえば「東京レイヴンズ」ですが、それとはまた違った魅力のある作品。
現代の日本では天狗や鬼といった人間ではない生き物が同じ社会で暮らしている。そんな日本の最高神であるヒロインが、現代の日本のはじまりを築いた<<士(サムライ)>>の話を語り始めるところから物語がはじまります。
日本神話がベースにある為、取っつきにくい印象があるが、解釈の仕方が独特で面白かったです。
キャラクター達の格好良さ
どのメインのキャラクター達も、個性的で一本芯が通っており、その姿に魅力を感じました。
- 主人公の「真人」は、人間の可能性を信じている為に他人に厳しいが、礼節を弁え、格上相手の不利な戦いでは命をかけられる熱い男。
- ヒロインの「常夜」は、行動に子供っぽさが目立つものの、人の幸せを願う姿は本物で、その姿に心を打たれました。
他にも、ちょっとおバカな天然巫女や、褐色銀髪赤目貧乳な鬼など、個性的で一本芯が通っているキャラクター達が登場します。
まとめ
私は暇奈椿先生のTwitterを、「クロックワーク・プラネット」が発売される少し前くらいからフォローしていました。
Twitterの内容が面白かったので、「きっと暇奈椿先生の作品は面白いのだろうなぁ」と勝手に思っていたのですが、今回「幼い女神はかく語りき」を読んで、ますますファンになりました。
何より感動したのは、暇奈椿先生と榎宮祐先生の関係性。
榎宮祐先生がTwitterで呟いていた内容が、個人的には一番感動してしまいました。
その榎宮祐先生が、ツイッターやあとがき等でお墨付きの面白さ。私個人としてもオススメしたい作品です。
2巻が発売されるのを楽しみに待ちたいと思います。
ではまた!