今回紹介する作品は「 時給三〇〇円の死神 」という作品です。

この作品は、死んでも未練ゆえに成仏できず、この世に留まる「死者」を納得させ、諦めさせてあの世に送る「死神」のアルバイトの物語。

「幸せ」とは、「生きる」とは何かを考えさせられる作品で、読んだ後には少しの気付きや切っ掛けを与えてくれる作品です。

画像引用元:双葉社「時給三〇〇円の死神」

「 時給三〇〇円の死神 」あらすじ

「それじゃあキミを死神として採用するね」

ある日、高校生の佐倉真司は同級生の花森雪希から「死神」のアルバイトに誘われる。

曰く「死神」の仕事とは、成仏できずにこの世に残る「死者」の未練を晴らし、あの世へと見送ることらしい。

あまりに現実離れした話に、不審を抱く佐倉。

しかし、「半年間勤め上げれば、どんな願いも叶えてもらえる」という話などを聞き、疑いながらも死神のアルバイトを始めることとなり―。

死者たちが抱える、切なすぎる未練、願いに涙が止まらない、感動の物語。

「 時給三〇〇円の死神 」を読んだ感想

足を怪我して得意のサッカーを断念し、親の不祥事で周囲からはつまはじきにされ、慕ってくれる彼女とも別れ、ほとんど希望を失った高校生の佐倉真司は、「死神」のアルバイトとして同級生の花守雪希とその仕事に携わる事になります。

時給は300円、交通費、残業代なし。仕事内容は、死んでも未練ゆえに成仏できず、ロスタイムのようにこの世に留まる「死者」を納得させ、諦めさせてあの世に送ること。

様々な事情から「死者」になってしまった人達。

  • 初恋相手の幼馴染
  • 家族を壊してしまった父親
  • 出産直後の母親
  • 虐待を受ける子ども

そんな「死者」達をあの世に送るために「死神」の仕事に取り組む佐倉真司たち。しかし、「死者」を送り出すという仕事の結末は、10を3で割るような割り切れない結末ばかり。

「死者」は死んだ瞬間の出来事が無かったことにされ、死んだ後も生活を送る存在。あの世に行った後には、ロスタイムで残したものは無かったことになり、紡いだ記憶は消されてしまう。

「死者」は何のためにロスタイムを生きるのか。

「死神」として「死者」の絶望や未練に触れた二人は、傷つきながらも「幸せ」とは何かに気づきます。

作中で一番印象的だったのは、この文章。

幸せって何だろう。遠い記憶の誰かが訪ねた。

今なら分かる。今が幸せと知ることだと。

失う前に気付けること。

失っても幸せだったと思い出せること。

思い出せなくても、いつかは思い出せると願うこと。

「幸せ」とは、「生きる」とは何かが、この文章に集約されているように感じました。

まとめ

「時給三〇〇円の死神」は、日々に絶望しそうな人に、少しの気付きや切っ掛けを与えてくれる作品です。

現実は、この作品の花守雪希のように、親身に一緒に歩いてくれる人はいないかもしれません。

でも、ふと周りを見渡した時に、隣に座った赤縁眼鏡の彼女や、道で出会った少年がヒントをくれるかもしれません。

「死神」の仕事での別れを経て、2人がたどり着いた答えが読者の傷ついた心を救うのかもしれない。そんな不思議な感覚を与えてくれる小説でした。

時給三〇〇円の死神

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